貴方の「愛してる」の想いが、あたしの上に覆いかぶさって酷く重い。
「オレが死ぬまで一緒にいてくれ。」と、貴方は云う。
あたしはただただ嗤う。
駅。
すれ違う人。
別れの時間。
寂しい。
貴方の視線。
「寂しいね」
困ったように笑った貴方。
ベル。
そっと唇に口付け。
おやすみなさい。
例え貴方があたしの声も、温もりも、想いも、全て忘れてしまったとしても。
其の声が、視線が、想いが、願いが強すぎて眩暈がする。
明日へ繋ぐために、僕らは今日も其の手をゆっくりと離す。
貴方の言葉には中毒性がある。
あたしをどろどろに溶かして、無くしてしまうような麻薬。
「俺の最大のメリットは、お前が俺の物になったという事だから。」
今更になって縋りつかれても、何も感じない。いい迷惑よ。
「お前が幸せならいい」と言って、自分の思いを言わないなんて。
解けてしまうような消えてしまいそうな、そんな寂しさを残しながら。
後ろから強く抱きしめられた。
声も出せないほど締め付けられて、同時に心も締め付けられた。
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